子供の工作が、大人の工芸に。
子供の頃、何かをつくるのが大好きでした。
特別に器用だったというよりも、頭の中にあるワクワクを、目の前に出してみたかったのだと思います。
「これをつくったら、みんなどんな顔をするだろう?」
面白いものができると、友達だけでなく、大人までびっくりしてくれる。その顔を見るのが嬉しくて、また何かをつくっていました。
紆余曲折を経て、ものづくりが私の仕事になりました。素材も技術も変わりましたが、誰かの驚く顔を見たいという気持ちは、今も変わりません。
ここに並ぶ段ボールの中には、そんな私の原点と今を重ねた「小さな劇場」があります。
子供に戻ったような気持ちで、自由に空想を広げてつくった世界。鏡の向こうには、その続きが広がっています。そして真ん中には、大人になった私が、今の技術と感性でつくった陶磁の作品を置きました。
けれど、どこまでが子供の工作で、どこからが大人の工芸なのか。その境界は、私の中では曖昧です。
夢中で手を動かしていると、子供の自分が顔を出す。それを形にしようと、大人の自分が考える。できあがったものを見て、また子供のように嬉しくなる。そんなふうに行ったり来たりしながら、今もものをつくっています。